006 2018/9/21

リハビリテーション領域におけるQOL研究について

リハビリテーション学部 作業療法学科
泉良太先生

 みなさんこんにちは.作業療法学科の泉良太と申します. 浜松医大で臨床をした後に教員になり,本校へは2016年度に赴任しまして,3年目になります. 私の専門領域は身体障害の作業療法ですが,現在の研究分野は全分野に共通であるQOL研究を行っています.

 具体的な研究内容としては,「リハビリテーションによるQOLの変化」と「QOL尺度の測定特性の検証」です.両研究ともに,実際の回復期リハビリテーションでデータを収集し,分析するため,本研究には臨床OTの協力が必須になります.現在も全国のOTに協力していただき研究を実施しています.その一部をご紹介いたします.

 図は,回復期リハビリテーション病棟患者さんのADLとQOLの関係を示したものです.確かに,ADLとQOLの相関は相関係数が0.86(最高1.00)で高い値なのですが,赤丸をご覧頂くと,ADLは最高値(100点)を示しているにも関わらず,QOLは最高値(1.00)を示す対象者が非常に少ないことが分かると思います(QOLが半値である0.5の対象者もおります). この事より,現在,回復期リハビリテーション病棟の成果指標の1つであるADL評価では,対象者に真のリハビリテーションを実施できているかどうかが分かりません.

 現在は,QOL向上のためのリハビリテーション介入のポイントやリハビリテーションの効果を適切に示すことのできるQOL尺度の検証を実施しております. QOL研究に興味がある方がいましたら,職種問わずご連絡ください!