011 2019/07/08

読み書き障害(ディスレクシア)

リハビリテーション学部 言語聴覚学科
小林 マヤ先生

 皆様こんにちは。言語聴覚士学科の小林マヤです。私は臨床では、それこそ0歳~102歳まであらゆるコミュニケーション障害、嚥下障害の方を方々への療法をいたしますが、研究分野は読み書き発達そして読み書き障害(ディスレクシア)になります。
 皆さまのイメージでは、読み書きというのは小学1年生から本格的にはじまるように感じられるかもしれませんが、発達というのは連続しており、読み書きにつながる必要不可欠なスキルは実に誕生した時からはじまっています。数字やロゴに気づいたり、親からの読み聞かせを楽しんだり、一見読み書きしているように見えないのですが、後に読み書き獲得につながる乳幼児期のスキルを萌芽期の(=イマージェント)リテラシーといい、この時期に読み書き障害(ディスレクシア)になる恐れがあるお子様を早期に発見して、療法によって症状を軽減できないかと考え、研究をしております。
 コンピューター、インターネット、スマホが社会で広く使用されるようになったインフォメーション・テクノロジー社会で生きて行くためには,「読み書き」が出来るという事は必要不可欠な能力です。「読み書き」とは人間だけができる能力ですが、我々の脳はもともと「読み書き」するために創造されてはいなかったといわれています(Wolf, 2007)。人類は読むことを発明し,そしてそれによって、自らの脳内構造を変化させ、さらに思考方法を拡大し、知的に進化を遂げてきていると考えられています。
 2020年6月にアジア太平洋ディスレクシアフォーラムが岡山県で開催されます。ご興味がある方は是非、足をお運びください。