012 2019/09/03

精神科リハビリテーション

リハビリテーション学部 作業療法学科
冨澤 涼子先生

 こんにちは。作業療法学科の冨澤涼子です。2019年4月から聖隷クリストファー大学に赴任いたしました。専門は精神科リハビリテーションです。これまで精神科病院で医療観察法病棟、急性期病棟、薬物依存症病棟などを担当するとともに、地域の訪問看護ステーションにも所属し、精神科訪問を行ってきました。

 病院や地域で働く中で常々感じているのは、多職種の連携、多機関との連携の大切さです。連携が上手くいっている時は、各々が補完的に機能し合い、介入が統合されることで、治療効果は高まっていきます。イメージで言うと『1+1=3』になります。しかし、連携が上手くいかない時は、誰かに負担が偏り、不満やストレスが蓄積されていきます。場合によっては燃え尽きて退職してしまう専門職もいます。私たち専門職が「一緒にやってよかった」と実感でき、かつ、クライエントも満足して元気になれる、そんな多職種、多機関との連携の在り方を模索しています。

 多職種チーム連携に関する研究をアメリカで実施していた時、精神科病棟の多職種カンファレンスや治療場面を何度か見学させていただきました。多様な文化的バックグラウンドのある専門職やクライエントが集まる中で、相手の価値観を尊重しながらコミュニケーションを図っている姿勢がとても印象的でした。言葉でいうのは簡単ですが、自分自身の臨床場面を振り返ると、「自分の価値感を押し付けていた場面もあったな」と反省したのを覚えています。

 今後も、多職種、多機関だけでなく、ピアサポーター(当事者)とも協同することで、精神疾患をもった方々のリカバリーの促進に貢献できたらと考えています。ご関心のある方、気軽にご連絡ください。お待ちしております。