氏名 本多久美
学科 作業療法学科 2012年卒業 4期生
勤務地 白梅ケアホーム
勤務分野 通所リハビリテーション
私は大学卒業後,医療法人社団白梅会に就職し,介護老人保健施設白梅ケアホームの通所リハビリテーションに配属になりました.通所リハビリテーション(デイケア)とは介護保険のサービスの1つで,在宅から通いながらリハビリテーションやレクリエーションを行い,心身機能の回復や閉じこもりの防止等を防ぎます.他に送迎・入浴・健康チェック・昼食などのサービスがあります.
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当通所リハビリテーションの目的は仲間作りによる社会性の拡大,体操などによる身体機能の維持・拡大,レクリエーション等による心身の健康維持,介護者の休息,介護相談を挙げています.定員40名で6時間以上8時間未満の利用時間となっています.看護師,介護福祉士,介護職員,作業療法士,歯科衛生士といった多職種が同じ空間で働き,連携し合いながら利用者様やご家族様を支援しています.
私は学生時代に3か所の回復期病棟の臨床実習に行きました.トップダウンアプローチを展開している,クライエント中心の作業療法,作業に焦点を当てた実践等,回復期領域で作業療法を学んでいった中で私はある思いを感じるようになりました.それは「患者様が退院した後はどんな生活を送るのだろう」「その患者様のこれからの生活の中にこそ本当のニーズがあるのではないか」と思うようになりました.これがきっかけとなり,高齢期作業療法,地域作業療法に興味を持ち,“退院後の生活や今まで生活してきた環境の中でその人らしい生活が送れるお手伝いがしたい,支援していきたい”と強く思うようになりました.そして現在の職場に就職し,通所リハビリテーションで在宅生活を送りながら,その人らしい生活が送れる支援に携わっています.
当通所リハビリテーションでは送迎をしており,職種関係なく,作業療法士も運転業務を行います.初めの頃は運転に対し不安で緊張する事が多くありましたが,現在はそれらを克服し,利用者様と談話しながら楽しく運転するようになりました.送迎するメリットとして,利用者様のご自宅に行く機会が多く,ご家族様の介護状況やどんな生活環境かを把握する事が出来ます.支援するにあたって生活状況を知る事はとても重要で,自分の目で確認することで具体的な支援方法を見出し,アプローチ方法のヒントになるので私は積極的に送迎に出向いています.
当通所では主に認知症,内部障害,脳血管障害等の疾患を持つ利用者様がおり,特に認知機能の低下が進行し,意欲低下を引き起こし,引きこもった生活を送る方が多くいます.アプローチする上で「生活歴」を知る事はとても重要です.「生活歴」から馴染みのある,意味のある作業は活性へと繋がり,意欲向上や残存能力を引き出せる事が可能になります.それだけでなく,その作業が人柄やその人らしさを語り,生きがい,役割や他者との繋がりへと変化していく事があります.支援していく中でその変化を目の当たりにして,改めて作業を用いる“作業療法”の魅力というものに毎回驚き,大好きになっています.
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